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Zホールディングスの持つ武器の多さが事業成長を加速

Zホールディングスの持つ武器の多さが事業成長を加速

堀江 裕介 / dely株式会社 代表取締役
2016年に出資したdely株式会社(以下、dely)は、Z Venture Capital(出資当時はYJキャピタル)からの出資を受けた後に次々とZホールディングスのグループ企業とのシナジー創出を実現してきた。dely堀江社長にZホールディングスとの共創、Z Venture Capitalとの推しポイントについて話をうかがった。
Q. スタートアップでZホールディングスと連携している会社は多くないので、是非とも聞きたいのですが、Zホールディングスと組むことでどのような効果が得られましたか?
【堀江】
期待以上の効果でした。そもそも事業提携は、淡い期待を持ちながらも、初期に交渉の材料として使われて、ダメになるケースもよくあると聞きます。ですが、弊社とZホールディングスの事業提携は、多くあります。事業に効果があると認められれば、どんどん信頼が積み重なります。信頼が積み重なればグループ内での新しい繋がりも生まれますし、既存の関係はより強化されます。様々な事業部の方と知り合ったことで、事業機会がとても多くなりました。

【堀】
2016年に初めて出資させて頂いたタイミング(当時はYJキャピタル)では、クラシルのユーザー数もそこまで多くなかったこともあり、提携にすぐに進みませんでした。ただ、改めて振り返ると、シリーズAから出資させていただいていたこともあり、レシピ動画サービスであればクラシルをZホールディングス内でも担当として激推ししていました(笑)
Q.堀江さんから見たZ Venture Capitalの優れている点はどのように映ってますか?
【堀江】
1つ目は、金銭面。投資が合理的で、「いけ!」と認められた場合は、桁がどうであれ、どんどん追加投資してもらえます。それは、ファンド規模などの細かいことも関係ありません。親会社のZホールディングスに巨大なリソースがあるからこそ、大きいマーケットを狙えるような追加投資を求めることができるのです。

【堀】
本格的な提携を始める前に、何度も事業連携のテストをしてもらいましたね。テストで良い結果が出たので、本格提携に進めました。スタートアップと大企業が組む時、すごく良いパターンだと思っていて、リーンにシナジーをテストする動きがdelyに合っていた気がします。では、続いてのオススメポイントは?

【堀江】
2つ目は、情報面。どのように事業連携しているかにもよりますが、社内の情報価値が極めて高いです。Zホールディングスやソフトバンクの事業戦略や上手くいっているサービスの情報が多く入るようになるのですが、これがとても参考になります。

【堀】
僕らVC部門でも、投資で最も成功している孫さんの話やビジョンファンドの話を参考にすることは多々ありますね。他にもオススメポイントは、ありますか?

【堀江】
3つ目は、人の良さ。グループ全体に、若者を応援しようという年上の人たちが多いので、提案を持って行きやすい文化があります。楽しいプロジェクトを提案すれば、どんどんテストさせてもらえます。例えば、榛葉さん(ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員)は、とてもお忙しい中、細部まで助けてくれました。もちろん、Zホールディングスの中で、自分たちが開拓できていない人もたくさんいますが、Z Venture Capital(当時はYJキャピタル)が間に入って紹介してくれました。

4つ目は、僕が最もオススメしたいポイントで、武器の多さ。PayPayやZOZOTOWNに加えて、3月からはLINEまでが乗っかったわけです。すでに武器がたくさんある中で、年々新しいものが生まれ続ける、というのは他の独立系ベンチャーキャピタルやCVCではなかなか起こり得ません。彼らと一緒に新たなシナジーを起こすということを、3つ目のオススメポイントだった、「提案しやすい距離感」で一緒にできるというのは、非常に価値が高いと思います。
Q.今後、使い倒したい武器は、何かありますか?
【堀江】
やはり決済サービスやメディアサービスとの連携ですね。弊社のECと接続させて、いかにユーザーに還元し、リピートしてもらうかが、重要だと思います。

【堀】
もともとはメディア事業での相乗効果に期待していたのに、今最も組みたいパートが決済に変わっているのは、時代を反映していて面白いですね。

【堀江】
新しい武器がどんどん出てくるのは、良いことではないですか!親会社が成長していれば、1個の武器が使い終わっても、また新しい武器が出てくるので、それが成長している大企業と組む最大のメリットですよ。