ジョーシスへの投資

by 湯田 将紀

Z Venture Capital株式会社(以下、ZVC)は、IT デバイスやSaaS の統合管理クラウドプラットフォームを運営するジョーシス株式会社のシリーズBに出資します。

コロナ禍を経て、企業の働き方は大きく変わりました。ITデバイスやSaaSの活用により、地理的な制限を受けずに、効率的な企業の生産活動が実現できる時代に突入しています。……という夢のような話の一方、企業の情報システム担当者やIT管理者たちにとっては、これまで以上にチャレンジングな時代になったと言えます。

今回、ZVCが出資するジョーシスは、管理者たちにとって、必要不可欠になり得るサービスです。今後、あらゆる企業にとって生産性の向上を加速する最良のパートナーになると信じています。

それは身をもってシステム構築、運用の苦労を経験した私にとっても例外ではありません。

2021年4月。ZVCの体制が親会社(ヤフー、LINE)から運営を独立したCVC(Corporate Venture Capital)へと変わる方針が決まりました。それまで親会社のインフラを利用する形で業務を行っていましたが、このタイミングでITインフラやコーポレート業務などを子会社であるZVC側で新しく整備し、管理・運用していくことが求められるようになりました。

私はそれまで一部のバックオフィス業務を担っていて、社内でもIT領域に詳しかった背景もあり、このタイミングで情報システム担当としてゼロからITインフラを構築する立場になりました。

外野から見る景色と、グラウンドから見る景色が全く別世界であるように、私は当事者となって初めて、情報システム担当者に求められる知識や能力が多岐にわたり、それも複雑であることが分かりました。また、近年はGoogle WorkspaceやOfficeといったサービスの誕生により、簡単に業務環境が構築できる一方で、SaaSの数は日々増え続け、進化していき、管理の複雑化やセキュリティの穴をついたサイバー攻撃、ハッキングも課題となっています。

そのため様々な組み合わせのデバイス、ソフトウェア管理を定常的に行う必要がありますが、適したツールがなく、スプレッドシートの手運用が行われているなど、管理する難易度が非常に高いのが現状です。一方で、専任の情報システム担当を設けている企業は、決して多くはありません。大企業であっても兼務で担うケースが多く、リソースやノウハウは常に不足しています。私は当時の経験から、上記で述べた情報システム担当の苦労を解決できる企業を探していました。それが今回出資するジョーシスであると確信しています。

ジョーシスは、ソフトウェアアプリケーションとデバイスの管理を自動化・最適化するクラウドサービスに加え、ノートパソコンやモバイル機器の購入、設定、出荷、修理、保管までを網羅するITアウトソーシングサービスを一気通貫で提供しています。

私の体験談に少しでも共感した方は、ぜひ一度ジョーシスを体験してみてください。ジョーシスは物理的なオペレーションも含む、いわばITを中心とする企業のサプライチェーンを解決する情報システム部のOS(オペレーションシステム)です。ボタン一つで、場所を問わず、従業員がストレスなく働く環境が作れる、そしてクラウドで一元管理ができる世界の実現は、もう目の前まで来ています。

日本の印刷業界をITオペレーションで改革したラクスルを創業した松本さんが、ジョーシスを率いて今度は世界の情報システム業界の変革に挑戦します。米国、インド、日本、シンガポール、ベトナムに100人以上の従業員の元、様々な企業を支えるためのインフラがグローバルで一気に立ち上がっていきます。これはまさに、松本さんだからできる挑戦です。

ZVCの前身であるYJキャピタルはラクスルに出資していた過去もあり、松本さんの挑戦を再びご支援できることを光栄に思います。ZVCはジョーシスの挑戦を全力でサポートしていきます。