投資契約のアップデート

Z Venture Capital(以下、ZVC)は、従来の投資契約に内在していた課題を認識し、バリューに定めているStartup Drivenの精神に基づき、投資契約の見直しを実施しましたのでご報告いたします。

※なお、いずれも弊社がリードで投資する際の投資条件となります。個別事情により条件が変更される場合があることを予めご了承ください。

「経営株主に対する株式買取請求権」の削除

従来の契約書では、「支援先又は経営株主において投資契約違反等があった場合、支援先又は経営株主に対し、株式買取請求権を行使できる」としていました。
一方で、株式の買取請求権については、公正取引委員会及び経済産業省の「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」のなかで、「スタートアップの起業意欲を向上させていく観点等から、投資契約において株式の買取請求権を定める場合であっても、その請求対象から経営株主等の個人を除いていくことが、競争政策上望ましいと考えられる」という旨が記載されています。
こうした点を踏まえ、ZVCはより起業家に寄り添うことを目的に、投資契約から「経営株主に対する株式買取請求権」を削除いたします

「最恵待遇条項」の削除

ZVCでは、未来に向かって挑戦する起業家が、資金調達の際に選択肢を狭めることなく、企業の成長につながるより良い選択をとって欲しいと考えています。
そのため、「支援先又は経営株主が他の投資家との間で、当初のZVCとの投資契約よりも有利な条件で他の投資家から出資を受ける場合に、ZVCからの要請に基づき、指定した範囲においてZVCとの投資契約を変更する」としていた「最恵待遇条項」を削除いたします

「各投資家の事前同意」から「多数投資家の事前同意」で足りる旨への変更

従前の投資契約では、「重要事項の決定や経営株主の専念義務に反する行為については、各投資家の事前同意が必要である」と規定していましたが、支援先の経営スピードを優先すること及び実務上の現実的な運用に鑑みて、ZVCの新しい投資契約では、「多数投資家(株式の過半数を有する単独又は複数の投資家)の承諾を事前に得られれば足りる」とする内容に各条項を修正することにいたしました
「経営株主による株式譲渡」についても、従来は各投資家の同意が求められていましたが、これを先買権及び共同売却権の対象とすると同時に、多数投資家の承諾で実行できるように変更いたしました

ストックオプション枠の上限を20%に変更

ストックオプションを活用し、優秀な経営人材を獲得していくことは、スタートアップにとって必要不可欠な武器になってきています。そのため、従業員向けのストックオプション枠の上限を20%に変更します。これにより、優秀な人材確保の後押しにつながることを期待しています。


また、East Venturesと共同で運営する起業家支援プログラム「Code Republic」においても、シード期のスタートアップ向けに、下記の新しい投資契約を2022年12月20日に発表しましたので再掲いたします。

シード期向け資金調達オプション「Code Republic」の主な条件

・採択時に1,000万円を出資
・バリュエーションは撤廃。有償新株予約権を活用した投資契約
 ‐ 転換価格は次回調達(*3,000万円以上)の達成時期に応じて以下のとおり調整
  ‐ 半年以内に調達:ディスカウントなし
  ‐ 1年以内に調達:20%ディスカウント
  ‐ 2年目以降に調達:30%ディスカウント
・従業員向けストックオプションプールの上限は20%
・創業者株式の直近評価額での株式買取にも対応

Code Republic プレス発表(2022年12月20日)応募はこちら



未来を切り拓こうとする起業家の想いに炎を灯し、「Accelerate the future」のミッションのもと起業家の最良のパートナーとして、その未来の到達を加速させていくことが、私たちZVCの存在意義だと考えています。

今回の投資契約の見直しにより、起業家の方が資金調達の選択肢をより多く持ち、経営スピードを落とさずに集中して事業に取り組むことができるようになれば幸いです。

以上