Cloutedへの投資

by Hyung Kim and Kinuko Kitabatake


Cloutedへ投資した理由


今や、すべてのブランド、アーティスト、スタートアップが「発信者」です。コンテンツが出揃うなかで、それをどう届けるか。個人、チーム、企業の多くが、いまだに手探りで取り組んでいるのが現状です。


私たちがCloutedを知ったきっかけは、彼らの音楽・エンタメ分野での実績でした。共同創業者でCEOのジャスティン・ゴリセタ=バヌシン氏は、自身もDJであり音楽フェスの企画者です。その経験の中で、優れた才能を持つアーティストが、作品の質ではなく「届け方」の問題で埋もれていく現実を目の当たりにしてきました。誰もが一人でこの課題と向き合わなくて済むように——その思いからCloutedは生まれました。

(launch video link)


Cloutedが提供するもの 


Cloutedは、消費財ブランドやエンタメ業界向けの「拡散エンジン(Virality Engine)」です。同社が「流通インテリジェンス」と呼ぶ独自技術により、AIが各ブランドの戦略、保有するコンテンツ、現在の発信状況を読み込み、データに基づいた施策を立案します。そのうえで、動画の切り抜き、一般利用者による投稿、ファンページ運営、影響力のある発信者への商品提供、運用型広告、話題作りの仕掛けまで、TikTok、Instagram、YouTube、Xといった各SNSで自動的に実行していきます。


実行だけで終わるツールとの違いは、施策が終わった後にあります。分析した動画、試した表現、加えた改善のすべてが学習データとして蓄積され、どの見せ方が効くのか、どの層に届くのか、どの場所で効果が積み上がるのかを学んでいきます。次の施策は、前回よりも速く、そして効果的になっていきます。「流通インテリジェンス」は、ただ施策を回すだけのものではなく、これまでの取り組みを積み上げ、提供する仕組みとなっています。


実績もその有効性を裏付けています。2025年10月以降、累計再生数は10億回を突破しました。エンタメ、音楽、ゲーム、消費財の各分野で250件以上の施策を実施し、世界中で10万人を超える発信者ネットワークを構築しています。音楽レーベルではLiquid StateとILLENIUM(アメリカの著名なDJ・音楽プロデューサー)との共同施策では、わずか2週間で3,000万回以上の再生を達成しました。こうした成果が、時間とともに積み重なっていく手応えを感じています。


構造的に行き詰まった市場に、新しい答えを


従来の有料広告はコストが上がり続ける一方で、自然に届く範囲は縮小しています。ブランドは、効果が薄れていくにもかかわらず、各SNSに料金を払い続ける構図から抜け出せずにいます。一方、Cloutedでは、依頼者は信頼できる発信者のネットワークを通じて拡散するために、1,000回表示あたりの定額料金を支払う仕組みです。ILLENIUMとの施策では、目標の3倍にあたる配信量を、1,000回表示あたり0.32ドルという実効単価で実現しました。エンタメ業界や音楽業界にとって、これは非常に意味のある数字です。 


積み上がっていく知見が、揺るぎない強みに


世の中の多くの販促ツールは、施策を実行するところまでで仕事が終わります。一方、Cloutedの基盤は、施策が終わるたびに「どの動画の冒頭3秒が最後まで見られたか」「どの音源がどの国で伸びたか」「どの発信者の投稿が購入につながったか」といった結果を読み取り、次の施策の設計に反映していきます。一度うまくいったパターンは、二度目はもっと速く、三度目はもっと精度高く再現できる。投稿を重ねるほど、そのブランド専用の「勝ちパターン集」が分厚くなっていくのです。 


最適な人材、最適な市場、最適なタイミング


ゴールドマン・サックスの調査によれば、クリエイターエコノミーの市場規模は、2027年までにおよそ倍になる見通しです。消費者の92%は、企業広告よりも一般の人による情報を信頼すると答える一方で、利用者投稿を活かす戦略を整えているブランドは、わずか16%にとどまります。ブランドが「必要」と感じていることと、実際にやれていることの間には、大きな隔たりがあります。そして、この隔たりを埋めるには、単なる道具ではなく、しっかりとした基盤が必要なのです。

ジャスティン氏と共同創業者でCOOのアドリエル・ヨング氏は、製品開発、コンテンツ運営、法人営業のいずれにも通じる、稀有な経験を持つ二人です。大きな規模で結果を出せることは、すでに証明済みです。


ZVCがCloutedに投資したもう一つの理由は、アジア市場での確かな手応えです。先ほど触れたILLENIUMの施策は、文化や言語の違いがあるアジア市場で、Cloutedの仕組みがすでに大きな成果を出している証拠です。


K-POPやJ-POPのファンは、世界でも有数の熱量を持つコミュニティです。好きなアーティストの動画を切り抜き、字幕をつけ、各国の言語で広めていく——ファン自身が拡散の担い手になる文化が根付いています。Cloutedの仕組みは、こうしたファンの自発的な動きを味方につける設計になっており、アジア市場との相性は抜群です。私たちがよく知る市場であり、Cloutedが勝ち抜けると信じる市場でもあります。


なぜ、今なのか 


新しい商品やサービスとの出会いの多くは、SNSなどの短い動画から始まります。あらゆる業界で、ここが入り口になりました。発信者のネットワークも、品質を保ちながら大規模に動画を届けられる段階まで成熟しています。 一方、個人情報保護の流れで、従来の広告は狙った相手に届きにくくなっています。だからこそ、自前で「届ける力」を持つことの価値が、これまでになく高まっているのです。

今、「流通インテリジェンス」という新しい領域で、第一人者となる絶好の機会です。データが集まるほど強くなる仕組みである以上、先に動いた者の優位は、すぐに追いつけない差になります。Cloutedは、すでにその位置にいます。ジャスティン氏、アドリエル氏、そしてCloutedのチームが、「届ける力」を本物の競争優位へと育てていく——その挑戦を支えられることを、私たちは誇りに思います。


Cloutedについて 


ウェブサイト:clouted.com

X:@CloutedHQ

LinkedIn:Clouted