創業から4年間の「困難」と「飛躍」に迫る!ヤプリ代表取締役 庵原氏インタビュー

今日は、1/28(木)20:00より開催するオンラインイベント「ヤフー出身起業家に聞く!~成功するスタートアップの作り方~」のプレインタビューとして、株式会社ヤプリ CEOの庵原 保文さんへのインタビューをお送りします。

「ヤフー出身起業家に聞く!~成功するスタートアップの作り方~」はヤフー社内向けのオフレコイベントを、外部公開する特別企画です。
ヤフー出身の起業家で2020年にExitを果たした株式会社ヤプリのCEO庵原さんと、パレットクラウド株式会社CEO梶谷さんのお二人をゲストに、ヤフー時代や創業時のハードシングス、Exitに至るまでのストーリーをYJキャピタルCEOの堀をファシリテーターとして伺っていきます。

▼日時、場所▼
1/28(木)20:00 @zoom webinar

▼Webinarへのお申し込みはコチラ▼
https://zoom.us/webinar/register/WN_zfy5cf1wTb2yij_gpLxBlA

▼イベント詳細はコチラ▼
https://note.com/yj_capital/n/n7e1f6dcadcdc

庵原さん顔写真

株式会社ヤプリ 代表取締役 庵原保文
出版社を経てヤフー株式会社にてメディア系サービスの企画職として従事。その後、シティバンクのマーケティングマネージャーを経てファストメディア株式会社(現 株式会社ヤプリ)を3名で創業。株式会社ヤプリ Yappli, inc. | Mobile Tech For Allアプリプラットフォーム「Yappli」を開発・提供している株式会社ヤプリは、Mobile Tech For Allをミッシyappli.co.jp

共同創業者との出会い

堀:佐野さん、黒田さんとYappliを起業しましたが、それ以外の人に声かけることは考えていなかったんですか?

庵原:エンジニアは佐野以外には声をかけなかったです。
佐野は、メディア事業部で一緒に仕事もしていて、面識がありました。自信を持っていて、やる気に満ちている人かつ、実装までが早いエンジニアという定評がありました。誰に聞いても彼がいいと話が上がっていて、スキル、実装の速さ、やる気も最高でした。
こうしたこともあり、エンジニアは一発目に佐野に声かけて、即決定しました。

堀:実際何カ月くらいヤフーファイナンスで一緒に仕事していたんですか?

庵原:二年くらいです。ヤフーファイナンスもそれなりに大所帯なので、30人くらいの組織で週1回の定例で回してました。私はビジネスサイド、佐野はエンジニアという携わり方でした。

堀:どのようなツールで声掛けしたんですか?

庵原:ログを見たらFacebookでした。社内メッセンジャーだと業務内で勧誘したことになってしまうので(笑)

堀:黒田さんに声をかけた経緯は?

庵原:Yappliの構想を決めて着手し始めたときに、デザイナーがいないとプロダクト開発できないと思いました。黒田さんは業務上の関わりがなかったのですが、評判や雰囲気といった直感で最初は声をかけました。技術面の知識も深く、手を動かすタイプと人づてで聞いていて良いなと思っていたのと、性格は真面目なんですが、見た目がやんちゃなところもスタートアップに合っているなと思いました(笑)
声を掛けたら一発でOKがもらえたうえに、黒田さんも起業を過去2回チャレンジしたけどダメだったという話を聞いて、やっぱり相性いいなと思いました。
その時にはYappliの構想をまとめた企画書ができていたので、それを見せると「これはヤバい、すぐやりたい」と黒田さんからも言ってもらえました。

堀:ご飯食べに行って関係性作りなどはしなかったんですか?

庵原:しませんでした(笑)一発でジョインしてもらいたいくらいの強い気持ちで話に行きましたね。根拠はないですが、仲間になってくれる自信がありました。

堀:ずっと横にいて感じることなのですが、庵原さんの根拠のない自信って、どこから生まれるんですか?(笑)生い立ちとか?

庵原:生い立ちも関係あると思います(笑)楽天的な性格なので。

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堀:僕の知っている起業家の中でトップクラスだと思います(笑)

庵原:それが黒田さんの採用の成功や、Yappliの上場までつながったと思います。

堀:CTOを採用するまで100人くらいに会う起業家もいますし、いろんなケースがありますよね。

庵原:ひたすら数こなして採用していく方もいますが、私は決め打ちで会いに行きました。基本的にはヤフーでのネットワークを重視していました。一緒に働いたことはなかったですが、社内でお互いの評判を知っていたのは、創業メンバー探しという点では大きかったと思います。

堀:メンバーが集まってから、創業まで二年ですね。長かったですね。

庵原:はい。2011年の震災後に声をかけて創業メンバーが集まって、そこから創業までの二年間、一緒に開発をしていました。

チーム運営の秘訣

堀:創業までの間は、黒田さん、佐野さんはヤフーにいながらアフター5で開発していたということですよね?

庵原:私はシティバンクで働いていて、毎週水曜日に会うようにしていて、そこで二年間定例をやってました。

堀:起業のタイミングって、イベントとかあったんでしたっけ?

庵原:YJキャピタルから本格的に出資を受けるにあたって、会社がないと出資できないよ、と言われたので、出資が決まる前に登記をしました。

堀:上海に合宿とかも行ってましたよね。

庵原:はい、行きましたね。イベントがないと盛り上がらないんですよね。イベントとかの思い出作りがないと、当事者意識や、極端なことをやっているという実感が湧かず、チームが空中分解してしまうと思っていて、あの手この手でイベントをしていました。そのうちの一つが、上海に行って開発合宿しよう、という会でした。
創業前は全員がサイドプロジェクトとして携わっていたため、ちょっとサボれば立ち消えてしまうと思っていました。そのため、イベントはかなり意識して企画してモチベーション維持に努めました。

堀:その組織運営力や企画力は、どういうところで経験を積んだんですか?

庵原:宮坂さん、川邊さんの運営方法とかを参考にしていました。要所要所で盛り上げるポイントを作るというやり方は学んでいきましたし、今でも会社の経営に取り入れています。

初回調達からシリーズA調達までの苦難

堀:その後、YJキャピタルから最初期の3,000万円のシード投資が決まった時は、チームに変化はありましたか?

庵原:最初の資金調達が決まった時は、起業して一番うれしかったことの一つですね。当時青山一丁目にオフィスがあって、同じテナントに銀行が入っていたのですが、銀行まで三人で行って記帳して「3,000万円入ってる!」と感動していました。あの時は嬉しかったですね。
この3,000万円で2年間はYappliに全員でコミットできることが決まったので、金額以上にチームにとって特別な意味のある出資でした。

堀:起業してからもっとも辛かったことは何でしたか?

庵原:いろいろきついことは連続してたくさんありましたね。みんな事業のストレスが溜まってチームとしてはきつい状況でした。

堀:精神的ストレスから解放され始めたな、というタイミングは?

庵原:自社オフィスが、赤坂のマンションから脱した時でしたかね。当時、堀さんからもらったアドバイスで「チームにポジティブな変化が訪れるのは、構造的な変化がない限り無理だよ」と言われたのですが、まさにその通りでした。
シリーズAの資金調達後、狭い閉塞感の塊みたいなオフィスから広いオフィスに移って、半年で20人くらい採用しました。その時に今まで3人のコアメンバーがそれぞれ4~5人の部下を持つようになって、部下とのコミュニケーションの比重が高まった時に、共同創業者同士の関係も良好になっていきました。

シリーズA以降の「飛躍」

堀:シリーズA以降は苦労がだいぶ減った気がしましたね。

庵原:シリーズAの最初はそれでも苦労していましたね。メンバーが30人くらいまで増えたあたりまでは組織づくりの部分で苦労がありました。

堀:The Modelが組織にハマりはじめたあたりから、かなり事業が好調になっていきましたよね。

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庵原:2016年までは試行錯誤していました。インサイドセールスチームができてから、メトリクスが良くなっていきました。フィールドセールスとマーケティングの分業制も確立されたのが2017年で、ここから一気に組織が良くなっていきました。

もう一つ挙げるなら、2017年頃に急速にお客さんが増えていった時期に起こった事故でした。毎四半期ごとに、期の締めとして僕がプレゼンしていたんですが、全4回のうち3回は事故・炎上をテーマにプレゼンしていました。あの時期は苦しかったですし、長かったです。
お客さんに怒られる中でもプロダクトは売らないといけないので、セールスは自信満々に行うんですが、受注するのは超不安、という状況でした。

堀:そこを乗り越えられたのは、どんな施策の結果だったんですか?

庵原:QA(Quality Assurance)ですね。QAを導入したのもヤフー出身の社員でした。QA、CSの守りの部門を2017~2018に強化して、一気に逆転して良くなっていった、ということはありました。

堀:シリーズA以降のお話も含めて振り返ってみて、創業~シリーズAまでたくさんの苦難を乗り越えたと思いますが、創業期の壁を乗り越えるのが一番大変だったと改めてお話聞いて感じました。

庵原:そうでしたね。赤坂のマンション時代からシリーズAの資金調達までは苦難の連続でしたが、何とか乗り越えることができました。

堀:今日はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました!

庵原:ありがとうございました!

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