CHEQUERへの投資
by Julie (Jeemin) Seo&James (Yousik) Han
AIによって、サイバー犯罪はより複雑になっています。Statistaによると、サイバー犯罪の世界的なコストは今後4年間で急増し、2024年には約9兆ドルから2028年には約14兆ドルに増加すると予想されています。
このような進化する脅威に対して、従来のサイバーセキュリティでは対応が困難になってきています。あらゆるアクセスが信頼できないもの(=ゼロトラスト)として捉え、全てのアクセスに対し、正当性や信頼性を確認するセキュリティモデルが最適であるという考えも普及していますが、万能薬のモデルは現れていません。
サイバーセキュリティの脅威は外部攻撃に限らず、内部侵入も含まれます。さらに、組織がデータを従来のデータセンターからクラウドに移行するなかで、データ管理プロバイダーは様々なリスクに対して戦略的な対応を求められます。
そこで重要となるのが「データガバナンス戦略」です。データガバナンスとは、企業がデータ資産を素早く、安全にビジネスに活用することで、効果の最大化とリスクの最小化を実現する取り組みです。このデータガバナンスをどう活用するかによって、企業の未来を左右することになります。
CHEQUER Inc.は、米国を拠点とするY Combinatorの卒業生(YC W20)であり、「QueryPie」という一元化されたクラウドデータ保護プラットフォーム(CDPP)を運営しています。
「QueryPie」により、クラウド環境でのデータアクセス制御、監査、監視タスクの統合管理が可能になり、データセキュリティ管理がより簡単で安全になります。具体的には下記のようなソリューションが挙げられます。
- · データベースアクセスコントローラ(DAC): ユーザーがオペレーティングシステムに関係なく、データベースにアクセスし、20以上の異なるデータソースの統合管理を提供します
- · システムアクセスコントローラ(SAC): ユーザーはすべてのリソース、サーバー、システム、ネットワークデバイスの権限を一元管理でき、オペレーティングシステムでもウェブブラウザーを通じてタスク、コマンドを実行します
- · AIパワーデータディスカバリ(AIDD): AIをベースにした自動データディスカバリソリューションで、ユーザーはセキュリティが重要なデータを容易に識別し、管理し、データパスの可視性と予測可能性を得ます
2020年に韓国で初めてDAC製品を発売して以来、QueryPieは韓国のユニコーンスタートアップの70%以上が使用しています。また近年では、韓国国内の企業、金融機関、公共(政府)部門に対するクライアントベースを拡大しています。
次のターゲット市場は、世界で5番目に大きいクラウド市場である日本です。日本のデジタル変革の緊急な必要性により、日本企業のクラウドベースのアーキテクチャへの移行は避けられず、データセキュリティソリューションの需要は並行して増加すると予想されます。私たちは、CHEQUERへの投資を発表し、データセキュリティセクターのリーディングプレーヤーの一つになるべく、同社の旅を支援することを楽しみにしています。私たちは、CHEQUERが以下で点で他の企業とは優位なポジションにあると考えています。
- · 最も広範なコンプライアンスレベル: 韓国で初のデータアクセスとセキュリティソリューションを発売したCHEQUERは、データセキュリティ規制が一般的に全球標準よりも厳格です。CHEQUERのデータセキュリティソリューションは、グローバルデータセキュリティ規制標準にも対応可能です。これにより、同社は同業他社の中で有利な立場にあります
- · 無類の販売戦略と業界ネットワーク:CHEQUERは、業界をリードするセキュリティプレーヤーである「Palo Alto Networks」や「Okta」を含むゼロトラストアーキテクチャを確立し、それを「OPQ」アライアンスと称しています。私たちは、このゼロトラストアーキテクチャがQueryPieのソリューションのクロスセリングを助けるだけでなく、長期的に顧客をロックインするのに役立つと信じています
- · 強力な創業者と経営陣: 経験豊富な元KakaoソフトウェアエンジニアであるCEO&創業者のBrant Hwangが率いる経営陣は、主に長い間共通のビジョンを共有してきたBrantの元Kakaoの同僚で構成されています。2023年末から、同社は日本での市場参入のため、現地のGMを迎え入れ、複数の日本の大企業とPOCを開始しています