Unlaceへの投資
Taku Uchimaru
皆さんは仕事や家族、恋人との問題を抱えて落ち込んだ時、どうやって過ごしていますか?心にストレスを抱え、ご自身が鬱病になったり知人・友人がメンタルバランスを壊して困っている場面に出会ったことはありませんか?
日本が直面している大きな課題の一つにメンタルヘルスが挙げられます。メンタルヘルスに起因する代表的な病気としては、鬱病/パニック障害/適応障害/睡眠障害等があり、これらの症状で苦しんだことのある方もいらっしゃると思います。厚生労働省によると、通院歴のあるメンタルヘルス患者は2017年に200万人※1を超え、年々増加しているそうです。また、メンタルヘルスに問題を抱える方の医療機関受診率は30%※2というデータもあり、通院していない潜在的な患者も含めると多くの方がメンタルヘルスに関して苦しんでいる状況です。近年では社会課題として認知されていますが、具体的な解決策がまだ出てきていないと思います。
メンタルヘルスに苦しんでいる方を救う専門家としては、心理カウンセラーが挙げられます。欧米諸国では、カウンセリング文化が根づいており、メンタルヘルスの不調を感じたらカウンセラーに相談することが日常となっております(映画/ドラマでカウンセラーに相談しているシーンをよく見かけると思います)。日本では2017年に公認心理師法が施行され、新しい国家資格として公認心理師が誕生し、有資格者も年々増加しております。しかしながら、現実としてはまだまだカウンセリングは一般に浸透しているとは言い難く、前述の通りメンタルヘルスに不調を感じても心理カウンセラーに相談する人は少数派です。「カウンセラーは弱い人が利用するもの」「治療をしていることを知られたくない」等のスティグマがカウンセリング普及の障壁のひとつとなっていると考えられます。
メンタルヘルスケアに対するスティグマを打破し、生活に馴染むメンタルヘルスケアサービスを目指しているのが株式会社Unlace(以下、Unlace)です。Unlaceは、資格を保持しているカウンセラーと相談者のマッチングを即座に行うオンラインプラットフォームを提供しており、相談者は24時間いつでも匿名で手軽に相談することができます。ZVCは、メンタルヘルスケアに新風を巻き起こすであろうUnlaceのポテンシャルを感じ1年前のシードラウンドにて初回投資を行いました。そして、1年経過し、プロダクトの進化と、コロナ禍で拡大し続けるメンタルヘルスケアの市場を目の当たりにして、プレシリーズAラウンドのリード投資をさせて頂きました。
私自身、代表の前田さんにはじめてお会いした際に、「絶対に投資すべきだ」と強く感じたことを鮮明に覚えております。メンタルヘルスに対するビジョンを熱く語る一方で、エウレカ社(1,500万人が利用する国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリPairsを運営)で事業開発責任者を務めていた前田さんだからこそできる綿密かつ科学的なサービス開発に驚きました。情熱と冷静さを兼ね揃えた稀有な起業家である前田さんはメンタルヘルスケアの未来を変える力をお持ちだと感じました。
今回の資金調達により、オンラインカウンセリングサービスを引き続き進化させるとともに、よりメンタルヘルスケアを身近なものとするためのサービス開発に取り組んでいきます。今回このような形で、Unlaceのチームをサポートでき、これからの冒険をご一緒できることを光栄に思っております。そして、Unlaceがスティグマを打破し、メンタルヘルスで苦しむ方々をひとりでも多く救うサービスとなることを信じております!
※1:厚生労働省「第7次医療計画の指標に係る現状について」の「気分障害(躁うつ病を含む)」と「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」より算出
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000892236.pdf
※2:平成16~18年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)
https://www.khj-h.com/wp/wp-content/uploads/2018/05/soukatuhoukoku19.pdf
Unlace 採用情報:https://job.unlace.net/