
PoPoKiiへの投資
by Janice Sa
韓国では、消費財輸出が初めて100億ドルを突破し、化粧品はその牽引役となっています。日本においても、化粧品輸入額のうち、韓国の化粧品が約3割を占め、フランスを上回り3年連続で最も多くなっています。また、化粧品にとどまらず、健康サプリメント、美容機器、ライフスタイル製品への需要も急速に拡大しています。
この成長の多くは、優れた商品企画力と高いコストパフォーマンスを武器とするインディーブランドによってもたらされています。実際に、おととし(2023年)には輸出業者の63%が中小企業でした。一方で、これらのブランドは日本において、厳格な認証、複雑な通関・税務手続き、現地法人の設立やプラットフォーム要件を満たす際の障壁といった、様々な高い壁に直面してきました。
PoPoKiiは、”ギフティング”(ギフトを介した販売)を通じて、この課題に対応するクロスボーダー流通プラットフォームです。LINEギフトにおいて韓国ブランドを扱う最大手のディストリビューターであり、単なる商品のまとめ役ではなく、“ギフト体験そのもの”を再設計している点が特徴です。季節に合わせた商品セットや厳選した組み合わせ、現地向けのレビュー管理などを通じて、他にはない成果を上げています。
投資理由
・LINEギフトの成長による追い風
韓国のKakaoTalk ギフティングと比べると、日本の市場はまだ初期段階にあり、取引規模は約4分の1、ブランド数は5分の1程度にとどまっています。これは、日本市場に依然として大きな成長余地があることを示しています。LINEギフト自体も新たな拡大フェーズに入っており、韓国ブランドの有力パートナーであるPoPoKiiは、この成長の恩恵を受ける有利なポジションに立っています。特に、eギフトよりも配送型の「モノのギフト」が伸びている現状において、その強みは一層際立っています。
・スケールへの明確な道筋
PoPoKiiはすでに B2Cのギフティングで実績を示しており、現在はB2B領域にも拡大しています。日本における法人向けギフトは電子クーポンが主流ですが、PoPoKiiは「感情的なインパクト」や「より豊かなブランド体験」をもたらす厳選されたギフトに注力しています。商品選定・キュレーション・輸入・物流までを一貫して手がけることで、eギフトモデルにありがちな利益率の圧迫やコモディティ化のリスクを回避できる点も強みです。プレミアムな商品構成、カスタムパッケージ、企業向けの専用機能を揃え、B2Bギフティング市場に新しい価値を切り拓いています。
・クロスカルチャーかつ実行力のあるチーム
韓国のデジタルギフティング文化は、商品バリエーション、シンプルなUX、豊かな利用シーンによって、世界的にも類を見ない成熟度を誇っています。PoPoKiiのチームは韓国と日本、両方の文化を深く理解しており、創業者自身がブランド運営や流通の実務経験・ネットワークを持っていることは大きな強みです。特に、韓国のギフティング体験を日本市場向けにローカライズする力に優れており、素早い実行力を持っています。
PoPoKiiはまだ始まったばかりであり、日本におけるデジタルギフティングの未来を形づくる絶好のポジションにあると考えています。ギフティングがより豊かで個人的な体験へと進化していく中で、PoPoKiiがさらに多くのブランドを日本の消費者の「手」と「心」に届けていく旅路を、私たちはこれからも支援していきたいと思います。
日本進出に関心のあるブランドの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
PoPoKii