【前編】dely 採用マネージャーが考える、誰かに喜びを届けるために必要なこと

Zホールディングスの一員であるZ Venture Capitalは、2016年にレシピ動画プラットフォーム「クラシル」やライフスタイルプラットフォーム「TRILL」で知られるdely(デリー)株式会社に出資いたしました。 
今回お話をうかがったのは、2021年10月に同社にジョインした梅田杏奈さんです。11年勤務した株式会社リクルートホールディングスからdelyに移り、現在は同社の採用マネージャーとして活躍されています。
何が彼女を動かしたのでしょうか。30代のキャリアに悩む20代にお届けします。

【梅田杏奈(うめだ・あんな)】
2010年、新卒で現株式会社リクルートに入社し、人材領域において法人営業、組織リーダー等を担当。2014年よりコーポレートスタッフとして採用領域、人事領域、広報、若手起業家支援など経験。産育休を経て復帰し、新卒・中途採用領域において責任者を歴任、2021年10月にdely入社。

社会に貢献するとは?採用担当の仕事で見えてきたもの



11年間のリクルート勤務ではどのようなことをされていましたか?

梅田
リクルートの自社採用を担当している期間が最も長かったのですが、並行して起業家と自社の新規事業担当者をつなげる活動もしていました。


どの様な経緯で起業家とリクルートの社員をつなげる活動に至ったのですか?

梅田
採用担当として学生と話をしてみると、リクルートを志望する学生には起業意欲のある人が多いことに気がついたんです。中には就職せずに起業する、という考えの人もたくさんいました。一方、就職せず起業した後に自力でのグロースが上手くいかず、大手で社会人経験を積んでからチャレンジした方がよかったという声を同時に聞くことも多くありました。

せっかくリクルートの社員として優秀な学生や起業家と接する機会があるなら、リクルートのリソースを活用して社会に新たな価値を提供できないか。リクルートは60年以上の歴史と複数の事業を持つ会社です。起業家とリクルートをつなぐことは、これまでリクルートが蓄えてきた知見やノウハウを社会に還元することになると思いました。

起業家とリクルートの新規事業部の担当者とをつなげるだけでなく、渋谷のワーキングスペースをコワーキングスペースとして事業を立ち上げている方々に提供したり、メンタリングをしたり……。実際、これがきっかけで、生まれたサービスもあります。いま思い出しても、この活動は私の人生の糧になっています。

誰かの喜びを力にする。スタートアップのdelyを選んだわけ

梅田
ただ、それはリクルートという大手企業の持つリソースや歴史あってのものであることも理解していました。次第に、私自身が一人のビジネスパーソンとして社会に恩返しするには、別の働き方をしていく必要があると考えるようになりました。そして、30代は大手企業の一員としてではなく、自分が学んだことを世の中に還元するために働く、という視点を持って働こうと思ったんです。そのためにはリスクをとることも必要なのではないかと。


それでdelyに飛び込んだのですね。数あるスタートアップの中で、なぜdelyだったのでしょうか?

梅田
私が一番大きなモチベーションを感じられるのは、誰かが喜んでくれたときです。ITサービスの事業者向けビジネスの可能性の大きさは理解していましたが、次は人の喜びを身近に感じられる、個人向けのビジネスに関わりたいと考えていました。delyは人の生活に近い場所で、「嬉しい」「幸せ」「楽しい」といった情緒的な価値に直接コミットできる、かつそれをグローバルに展開する事を本気で目指している数少ない会社だと感じて入社を決めました。

スタートアップは激務? dely入社後に感じた自分らしく働ける場所



梅田さんは小さなお子さんのいるワーキングマザーと伺っています。「スタートアップは激務」という印象を持つ人も多いのではと思いますが、delyに入社して働き方は変わりましたか?

梅田
実は私もワークライフバランスを見直す必要があるだろうと思っていました。でも、入ってみると思っていたほどのギャップはありませんでした。仕事に対して熱量の高さは求められますが、delyの働き方は比較的柔軟です。

たとえば出社の前後にフレックスで仕事を挟めるので、子どもの保育園のお迎えに行き、夜に落ち着いてから残った仕事をすることもできます。リクルートでの働き方とほぼ変わっていません。周囲の人が「そろそろお迎えですよ」と言ってくれる雰囲気もありますね。

代表の堀江さん(※delyでは社外に社員を紹介する際も「さん」付けをします)からは入社前に「自分らしく働いてくださいね」と声をかけられました。私は「必死で頑張ります」って言ったんです。そうしたら「自分らしく働くことが結果的にパフォーマンスにつながる。自分が犠牲になるのではなく、自分も一緒に幸せになっていくことを意識してね」って言われて。嬉しかったです。


素晴らしいカルチャーですね。delyのミッションやバリュー(価値基準)とも関係ありそうですね。

梅田
はい。delyのビジョンはBE THE SUN。世界を太陽のように明るく照らすということです。バリューは”Trade On”、”Deliver Passion & Hapiness”、”Good to Great”、”Heart to Heart”の4つがあります。




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トレード・オフとは、「一方を尊重すればもう一方が成立しない関係性」を意味しますが「誰かが泣く・何かを犠牲にするのは当然」という考え方に持続性はありません。社会や企業の発展には、ステークホルダーみんなで幸せになるという考え方、つまり”Trade on”(トレード・オン)が必要だとdelyは考えています。

また、意思決定の基準は「世界・ユーザー・クライアント・チーム・個人」の順序で考えていきます。これは決して「個人を尊重しない」という意味ではなく、大きな視野を持ち、世界そのものを良いものにしていくことで、サステナブルな成長を実現し、個人の幸福が達成されるという考えです。

人事の視点では、たとえば、特定の誰かに短期的に無理な残業を強いて大きな成果を挙げることは何年も続けられることではありません。短期的な成果ではなく、企業としての価値提供を長く続けていく。
それは採用も同じです。目の前の採用目標が達成されればよいということではなく、その人の幸せにdelyが必要ないと考えれば、無理に採用しないようにしています。

もうひとつのDeliver Passion & Hapinessも大好きです。これは「世の中に幸せを届けるには、自分達が熱中し、組織やサービスを誇りに思えていることが大事」という意味で、delyでは「デリパピ(Deliver Passion & Hapinessの略度)なチームを意識していこうね」を合言葉にしています。「職種を問わず誰もが、delyに触れた人を感動させよう」というメッセージを人事として意識しています。

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