Z Venture Capital、東京・ソウルでOpenAIを招きスタートアップとAIプロダクト開発を議論
2月から3月にかけて、Z Venture Capital(ZVC)はOpenAIをゲストに迎え、東京とソウルの2都市でAI開発をテーマにしたイベントを開催しました。記事では、それぞれの都市で開催されたイベントの様子を紹介します。
日本・東京では、2026年2月25日にZVCがOpenAI JapanおよびLY Corporationと共催し、スタートアップ向けのAI開発イベント「AI Dev Night – AI活用の現在地と、これからのプロダクト開発のリアル」を開催しました。イベントでは、OpenAIのプロダクトを活用したAI駆動開発の実践や、スタートアップのリアルな課題について、開発者やプロダクト担当者の視点から、さまざまな議論を行いました。
また、韓国・ソウルでは、2026年3月3日にZVCがOpenAIとともに、江南(カンナム)にて韓国のスタートアップに向けたワークショップを開催しました。セッションには40名以上の起業家や技術リーダーが参加し、ハンズオン形式のワークショップやOpenAIの専門家とのディスカッションを通じて、AIを活用したプロダクトやエージェント型システムの構築に向けた実践的なアプローチについて学びました。
東京でのイベント
最初のセッションでは、OpenAI Japanで、DevEx Engineerを務める瀬良 和弘(せら・かずひろ)さんが登壇しました。この中で、OpenAIが実際のプロダクト開発の現場でどのようにAIを活用しているのか、その考え方と実践を共有しました。

瀬良 和弘さん(Xアカウント:@seratch)/ DevEx Engineer, SDKs & Japan @ OpenAI
瀬良さんは、OpenAIが提供するエージェント開発向けのSDK「Agents SDK」について、シンプルなコードでエージェント開発を始められるほか、トレーシングなどプロダクション環境を想定した機能も備えていると説明しました。また、「Realtime API」を活用することで、音声入力から音声出力までをリアルタイムで処理する音声エージェントを短いコードで実装できることを紹介しました。
このほか、コーディングエージェント「Codex」をツールとして呼び出し、コード生成や開発タスクを支援する活用方法や、OpenAIの開発現場でもコードレビューやバグ修正などにAIを取り入れ、開発スピードと品質の向上につなげている事例を語りました。
続いて、LINEヤフーの小林慎治さん(@kobashinG)、スマートバンクの堀井雄太さん( @yutadayo)、OpenAI Japanの瀬良さんが登壇したパネルディスカッションでは、ZVCの湯田 将紀(@yudamasak1)がモデレーターを務め、「AI活用の現在地とこれからのプロダクト開発」をテーマに議論を行いました。

この中で、各社が実際に取り組んでいるAI活用の事例や課題についても共有しました。
LINEヤフーからは、AIを活用した開発を進める中で「コンテキストエンジニアリング」の重要性が紹介されました。AIに与える情報量を増やすだけでは必ずしも精度が向上するわけではなく、タスクに応じて必要な情報を整理し、入力を設計することが重要だと述べました。
またスマートバンクからは、家計管理サービス「ワンバンク」におけるAI活用の事例が紹介されました。レシートの自動読み取り機能や、ユーザーの決済データをもとに相談できるAIチャット機能など、ユーザー課題に直結する形でAIをプロダクトに組み込んでいるといいます。

開発現場でのAI活用については、多くのコード生成をAIが担うようになった一方で、コードレビューなどの工程が新たなボトルネックになる可能性も指摘されました。その一方で、AIの活用によってプロトタイプ開発のスピードが向上し、ユーザーインタビューより先にプロダクトを試作・検証するなど、開発プロセス自体にも変化が生まれていることを共有しました。
ソウルでのイベント
2026年3月3日、ZVCはOpenAIとともに、韓国・江南(カンナム)のAP Towerにて韓国の出資先スタートアップに向けたワークショップを開催しました。

このイベントには、ZVCが韓国で出資するスタートアップから40名以上の起業家やテクニカルリーダーが参加しました。ワークショップでは、OpenAIの技術を活用したAIプロダクトやエージェント型システムの構築について、実践的なアプローチをテーマにセッションを行いました。
セッションは、OpenAI Startups TeamのリードであるThomas Jeng氏と、同チームのアカウントディレクターを務めるYuha Han氏が、OpenAIによるスタートアップ向けの取り組みを紹介しました。
メインワークショップでは、OpenAIのソリューションアーキテクトであるJaewon Lee氏が「Building Agentic Systems with OpenAI」をテーマに講演しました。セッションでは、エージェントベースのアーキテクチャをさまざまなサービス領域でどのように実装できるのかについて解説しました。あわせてライブデモも披露され、参加した起業家やエンジニアとの積極的な質疑応答も行いました。

イベント後、参加したスタートアップからは、「実践的なAI実装について理解を深める貴重な機会になった」といったフィードバックが多数寄せられました。また、イベント参加者向けの特典として、OpenAIよりCodexの1か月無料トライアルも提供されました。
OpenAIにとっても本ワークショップは、韓国においてベンチャーキャピタルと共同で開催した初めてスタートアップ向けワークショップ となり、意義深い取り組みとなりました。

ZVCは今後も、LY CorporationやOpenAIと連携しながら、スタートアップコミュニティの支援や、AI活用およびプロダクト開発を促進する取り組みを継続していく予定です。
ZVCとの連携に関心のあるスタートアップや企業の皆さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。