Lincへの投資

by 内丸拓


Z Venture Capital株式会社(以下、ZVC)は、外国人材向けに就職から採用後の研修育成まで一気通貫でサポートする株式会社Lincに出資します。
日本の総人口は2008年をピークに、2011年以降は一貫して減少しています。*¹ 2030年には、労働需要に対して労働供給の人口は644万人不足すると推計されており、特に現在も人手不足が続くサービス業、医療・福祉業は少子高齢化によって、今後の需要の伸びが予測される一方で、労働供給の伸びが需要に追い付かないとされています。

近年、人手不足を解決するために、以下のような外国人人材を活用する動きがみられます。

・2019年より人手不足を解消するための在留資格として「特定技能」が開始 (同資格を有する外国人は2023年11月末時点で約20万人)
・*² 政府より2024年度からの5年間で特定技能として更に82万人を受け入れる方針が発表
・*³ 技能実習に代わる人材確保と人材育成を目的とする「育成就労」を新設する法案が閣議決定

このような背景から、外国人人材を活用したい企業は急速に増えており、外国人の求職者と企業をマッチングする仲介会社や登録支援機関も増えてきています。一方、急速に増えるニーズに対して、仲介側と企業側の採用工数が増え、ミスマッチ等の課題を抱えているのも事実です。

こうした仲介会社・登録支援機関と企業の双方の課題を解決するプラットフォームを開発しているのが、今回ZVCが出資するLincです。
Lincのプラットフォーム上では今後、仲介会社・登録支援機関と企業による外国人人材のマッチング、採用管理業務、そして採用後の研修育成まで一気通貫で提供できることが見込まれています。現在はクローズド版でローンチ中で、その中でもとても強い引き合いがある飲食・宿泊業界の複数のリーディングカンパニーへの導入が始まっています。

私自身、Lincの代表の仲さんと初めてお話した際、仲さんが持つ高い業界の解像度と大きな事業構想に驚いたことを鮮明に覚えています。その仲さんのビジョンと実行力、優秀なチーム、さらに顧客からの強いニーズの全てが、今回の出資の決め手となりました。

Lincのチームだからこそ、外国人人材が日本で活躍できる社会を構築し、同時に日本の人手不足を解決できると信じています。今後、LINEヤフーのグループ会社との連携も含めて、Lincを全力でサポートしていきます。

【参照】
*¹ パーソン総合研究所「労働市場の未来推計2030」(労働市場の未来推計 2030 – パーソル総合研究所 (persol-group.co.jp)
*² 日本経済新聞『「特定技能」窮余の拡大 5年間で82万人受け入れ』(「特定技能」窮余の拡大 5年間で82万人受け入れ – 日本経済新聞 (nikkei.com)
*³ 日本経済新聞『外国人材「育成就労」新設、技能実習を改革 閣議決定』(外国人材「育成就労」新設、技能実習を改革 閣議決定 – 日本経済新聞 (nikkei.com)