Oceanへの投資

by Taku Uchimaru / Kosuke Uchida


Z Venture Capital(以下、ZVC)は、リファンド型次世代免税プラットフォーム「Ocean Tax Refund」を提供する株式会社Ocean(以下、Ocean)のシリーズAラウンドにおいて、追加出資を実施しました。

前回、2025年11月のシード出資から、約10ヶ月でのフォローオン投資となります。

前回の出資発表時、ZVCはことし(2026年)11月の免税制度改正(リファンド方式への転換)を、インバウンド消費のデジタルトランスフォーメーションが一気に進む転換点として捉えていました。あれから約10ヶ月が経ち、制度施行まで約2ヶ月となりました。この間に、私たちの見立てを裏づける変化が、市場とOceanの双方に起きています。

街中や観光地で、外国人旅行者を見かける機会が以前より増えたと感じている方は多いと思います。その実感は数字にも表れています。

*¹2026年上半期の訪日外国人旅行者数は2,108万人と、年間で初めて4,000万人を突破した*²2025年と、ほぼ同じペースとなっています。*³直近の4〜6月期を見ても、旅行消費額は2兆5,096億円、1人当たりでは約24万円を日本で消費していることになります。

こうしたなか、ことし11月、全国の免税店でリファンド方式が導入されます。これまでは店頭で消費税を差し引いて販売していたものが、新制度ではいったん税込で販売し、旅行者が出国して持ち出しが確認されたあとに、店舗が消費税を返金することになります。レジ運用から返金オペレーション、多言語案内まで、全国の免税店が設計し直す必要に迫られます。

今回、ZVCがフォローオン投資を行うOceanは、シード投資時に構想段階だったプロダクトを、この10ヶ月で新免税制度に対応した「Ocean Tax Refund」としてローンチしました。銀行送金・クレジットカード・海外QRコード決済・PayPalなど多様な返金手段への対応を進めるとともに、LINEミニアプリによる訪日客向けのUXも実装されています。

すでに全国各地の加盟店から利用申込があり、大手小売事業者への導入決定、インバウンド事業者・地域金融機関などとの連携も着実に進んでいます。

ZVCとして特に注目しているのは、Oceanが「Ocean Tax Refund」を起点に訪日客の購買データを蓄積し、そのデータを活用したインバウンドマーケティングへと事業を広げていく点です。

「Ocean Tax Refund」は、2026年の制度改正に合わせて設計されたAIネイティブなプラットフォームであり、免税手続きの効率化にとどまらず、これまで十分に活用されてこなかった訪日客の購買行動をデータとして捉えることができます。

そのデータをもとに、加盟店への送客・再来店促進などのインバウンドマーケティングへと事業を広げ、インバウンド消費のゲートウェイを担う存在へ成長していくことを期待しています。

また、制度施行にあわせてプロダクトをローンチし、同時に導入先パートナーとの関係を構築するという難易度の高い実行を10ヶ月でやり切ったチームの推進力も、私たちは高く評価しています。優秀なメンバーが続々と参画し、会社としての土台が急速に整ってきたことも、この期間の大きな変化です。

日本経済の柱となるインバウンドにおいて、新たな市場インフラを築こうとするOceanの挑戦を、ZVCは引き続き全力で伴走していきます。



(参照)
*¹ 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年6月推計値)」より
https://www.jnto.go.jp/news/press/20260715_monthly.html

*² 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」より
https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html

*³ 観光庁「インバウンド消費動向調査」2026年4-6月期の調査結果(1次速報)より
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_00094.html